
賃金を見直したあとの確認ポイントと、対話のすすめ
10月から全国で順次、最低賃金が引き上げられています。
今年度は全国加重平均で56円引上げの1,177円。
北海道も10月1日から56円上がり、時給1,131円となりました。
時給が56円上がると、1日8時間・月20日働く場合、月額では8,960円の増額になります。
月々の給与で考えると、大きな変化ですね。
「時給を変更したから、これで大丈夫」
そう思っていませんか?
今回は、事業主や給与計算を担当する方に向けて、賃金を見直した後の確認ポイントをご紹介します。
働く皆さまも、ご自身の給与明細を確認するきっかけにしていただければと思います。
月給で働く方も確認を
最低賃金は、時給で働く方だけのものではありません。月給で働く方も、時間額に換算して、最低賃金を下回っていないか確認が必要です。
その際、通勤手当や家族手当、精皆勤手当、残業代などは、最低賃金との比較に含められないことにも注意しましょう。
賃金の変更後に確認したいこと
- 残業代の単価は変更しましたか?
- 基本給などが上がると、残業代を計算する際の単価も変わります。休日労働や深夜労働の割増賃金も含めて、給与計算の設定を確認しておきましょう。
- 固定残業代を支給している場合も、設定した時間分の金額を満たしているか、再計算が必要です。実際の割増賃金が固定残業代を上回る場合は、差額を支払います。
- 社会保険の手続きは必要ですか?
- 基本給や時給などの固定的な賃金が変わった場合は、社会保険の「随時改定」の対象になるか確認が必要です。
- 変更後の給与が支払われた月から3か月間の報酬をもとに、これまでの標準報酬月額と原則2等級以上の差が生じるなどの要件を満たす場合は、「月額変更届」を提出します。
- 賃金を引き上げたら必ず届出が必要になるわけではありませんが、確認する時期を忘れないようにしておきたいですね。
給与の確認を、対話のきっかけに
賃金の見直しは、計算や手続きを済ませて終わりではありません。
いつから、どの項目が、いくら変わるのか。社会保険料が変わる場合には、手取りへの影響も含めて伝えることが大切です。
賃金の見直しに伴う変更の説明や、年末調整に向けた扶養状況の確認など、給与に関するやり取りが増えるこの時期。
先月の記事で、パートタイム・有期雇用で働く方が、正社員との待遇の違いやその理由について「説明を求めることができる」旨を、雇い入れ時に明示するルールをご紹介しました。
約9割の人が「待遇差の説明」を求めたことがありません | 社労士事務所ウェルビーイング
従業員からの、待遇差を含めた給与のこと、家族や働き方のこと、その他困りごと・日頃気になっていることなどについて、対話する時間を設けるには、いいタイミングではないでしょうか?
忙しくなる年末を迎える前に、お互いの理解を深め、安心して働ける職場づくりにつなげていきたいですね。
待遇や働き方、賃金の変更に伴う手続きについて、ご不明な点や気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。

